Quantcast
Channel: 音に心を
Viewing all articles
Browse latest Browse all 985

音程を良くするには?

$
0
0

本を出していると、他教室からの移籍が多くなります。

 

皆さん、何かしらの問題を抱えていて、行き詰まっていらっしゃる・・・

 

楽器の弾き方で躓く大きな原因のひとつに、読譜があります。

 

 

この読譜力を上げるには、音階が必須です。

 

でも、基礎練習で音階が大事なのはわかっていても

 

多くの人が何も考えずに、ただ弾いて終わってしまいます。

 

ただ弾いているだけでは音程はよくならないですし、

 

読譜、楽譜との関係性が見えてこないのです。

 

  なぜ、音階なのか

 

曲はこの音階のかけらで出ています。

 

拙著「いまさら聞けないヴァイオリンの常識(音楽之友社)」58p.に

 

ヴィヴァルディとベートーヴェンの楽譜を例に解説しているので、ご参照ください。

 

 

 

前述の他教室から移ってくる生徒さんが音階を弾く時に

 

「この調の半音はどこでしょう?」

 

この問いを最初にします。

 

ヴァイオリンは自分で音程をつくる楽器です。

 

特に半音の位置を意識していないと、曖昧な音程のまま弾き続けることになり、

 

結果、音程が悪いことも自覚あるので嫌になってしまうのです。

 

 

 

  テトラコード

 

 

楽典の本では、音階は全全半全全全半の音の並びと書いてありますね。

 

音階はふたつのテトラコードでできています。

 

 

テトラコードとは、「4つの弦」の意味で、

 

上記のように4つの音が全音全音半音の関係です。

 

この端の、半音の場所の理解が知識として、

 

それから感覚としてわかるかが大事なんです。

 

 

 

  「解決」する感覚

 

 

特に導音と主音の関係がもっとも重要で、

 

導音の主音に向かう感覚が調性感になります。

 

和声の Ⅰ はトニックでしたね。

 

Vのドミナントは Ⅰ に向かいたい帰属感が強い和音です。

 

導音は属七の和音Ⅴ7の第3音にあたります。

 

導音→主音は、Ⅴ7のドミナントから Ⅰ に「解決」する和声感と直結しています。

 

 

 

  調性感と音程感

 

 

旋律を弾く時に導音は最も意識する音程です。

 

ブルッフの1楽章の冒頭の部分、g-molのⅠ の分散和音から始まりfisの導音からGへ。

 

音が上昇していき属音Dに向かうCisは属調d-mollの導音の感覚で半音を狭めにとりますね。

(拙著69p.「音程について」もご参照ください)

 

音程は複雑な問題も絡んではいるのですが、

 

基本中の基本は、半音を理解しているかが

 

一番最初の出発点になります。

 

 

でも、ただ「指がくっつく」だけでは

 

なんとも言えない音程になってしまいます。

 

 

音階と同時に和声も意識して弾けるか、

 

音程感の指導はここにかかってくるでしょう。

 

 

 

  渋谷クラス 生徒募集

 

 

渋谷クラス、土曜日午後に定期レッスン1名、募集します。

 

不定期レッスンも随時受付しています。

 

詳しくはこちらHPへ
https://www.kawaisayoko.com/個人レッスン/


Viewing all articles
Browse latest Browse all 985

Trending Articles